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お礼SSS(覚醒帝人様視点)です。




小さな赤子のように丸くなり眠っている自分がいる。

(……よく眠っていますね)

さらりと同じ色の黒髪を撫でる。

か弱くて愚かなこの自分は、震えながらも己の力で全てを解決しようとする。

(私に変わればいいものを)

無理をしすぎたらしく、突然意識の海へと落ちてきた。

(……あとは私がやります)

ゆっくりと立ち上がると、帝人と呼ぶ声が聞こえてくる。

何度も、何度も。

(この声は……)

私を気安く呼び捨てにしている、低い声。

その声に引かれるように意識が浮上していく。

目蓋を開けると、金色が輝いていた。

(……この人、でしたか)

幼い自分越しに見る顔の中で、最近特によく見る顔。

私とは年も離れていて、雰囲気も、もう一人の自分とはかけ離れているのにどうして一緒にいるのか不思議だった。

(確か、……平和島、静雄)

静雄さん静雄さん、といつも甲高い声が口にしていた。

「大丈夫か、帝人…!」

「………」

「急に黙っちまって……どうした」

大きな手のひらがそっと私の額に触れる。

それは、相手を最高位に扱う触れ方だ。

(……ふぅん、そういうこと、ですか)

男の膝の上にある自分の体と、手の動きに、目の前にいる金髪の男と子供だと思っていた自分の関係が分かる。

(どうりで最近意識の壁を作ることが増えたと思いましたよ)

弱くて何も出来ないくせに私に隠し事をしていたなんて。

感じる苛立ちを微笑みに変えて、腕を伸ばす。

「帝人…?」

「……心配かけて、ごめんなさい。―――しずお、さん」

するりと男の首に腕を巻きつけて、ぎゅっと縋る様に抱きつく。

胸に顔を押し当てれば、表情は見られない。

顔さえ見られ泣なければ、言葉は繕える。

(……帝人…これは私に黙っていたお仕置き、です)





「静雄さん、……大好き、ですよ」





(好き?/CONTINUE)