静雄の恋人?
えー……知っているけれど、そんなのどうでもいいよ。
それよりも!
セルティ!
今日は1ヵ月と17日、23時間40秒振りの君のお休みなんだよお……ぶほっ!
あひっ、や、やめ…っ、わ、わかった!
ちゃんと話すよ!話すから、腕の筋を伸ばすのはやめてぇ!!
……ふぅ、もう、セルティは静雄のことになると本気なんだから。
本当に、妬けちゃうよ。
あんまり静雄と仲良くしていると、いろいろしちゃうぞ。
ん、いろいろって、いろいろだよ。
セルティに?違うよー静雄に決まっているだろう。
セルティにしたいことなんて、……たくさんあるけど。
ご、ごめんなさい、もう余計なことは言いません、はい、すみません……。
まぁ、静雄はあの子に夢中になっているようだから、本当はそんなに心配していないけど。
僕も静雄とは付き合い長いけど、彼があんな表情しているのは久しぶりに見たなー。
昔はさ、結構可愛かったんだよ、あれでもね。
まぁ、僕には魅力的だったけど、もちろんセルティとは別の意味でね、小学生にはあの力は怖かったんだろう。
静雄の周りから普通の人はいなくなっていっちゃった。
唯一残ったのは僕ぐらいかな。
え……、あ、はい、ウソです、ゴメンナサイ。
冗談はさておき、静雄の傍に残ったまともなのは弟の幽ぐらい。
……いや、ある意味、幽も特殊だね。
あの小さくて可愛い子を静雄が大切にするのは、本当にまともな子だから、だろうね。
うん、いい子だよね。
この間鍋パーティーの時に思ったよ、可愛くていい子だなぁって。
まぁ静雄がそっちにいっちゃったのはそりゃあ僕でも吃驚したよ。
あんないい子で可愛い子を引きずり込んじゃったのかなぁって思えば友達としてはとめないといけないかもしれない。
でも、あの子には悪いけれど、今の静雄の幸せを壊したくないんだ、僕は。
今の静雄の顔が好きなんだよ。
よかったなぁって思うんだ。
あの子がこのまま傍にいてくれれば、静雄の心にもゆとりが出来て、力をセーブ出来るようになるかもしれない。
……僕って、本当に酷いやつだよね。
可愛い高校生よりも、自分の友達のことばっかり。
え、本当だ、って、せるてぃ……ひどいなぁ。
………うん。
冗談って、……ありがとう、セルティ。
お前は優しいって言ってくれるのセルティだけだよ。
君は自分と静雄が似ているとよく言うけれど、僕は、僕と静雄が似ているといつも思うよ。
だから静雄はあの子を離せないし、僕も……君を離せないんだよ。
たった一人の人、だから。
(二人への視線ver.新羅/END)